re:ご報告とお悩み
ryou minemoto
4月6日
To takuya yamaguti

 君のメールは読ませてもらった。突然の告白に驚愕すると同時に友人として喜びが湧き起こったぞ。君は出会ってから初恋もまだのピュアボーイをずっと保ってきたが、やっと中学生と同じスタートラインには立てたようだ。あれ程女性に恐怖心を抱いていた君が今更なぜ一目ぼれという、まさに中学生がしそうな初恋をすることになったのか、正確に答えられる者に聞いてみたいものだ。しかしめでたい。正直面白がってもいるが、君が女性を好きなれる立派な男であることが証明されたわけだ。これはめでたい。君は女性の前ではいつも無口になるから気にしていなかったが、成るほどたしかにあの時はいつも以上に無口であったような気がする。それにしても松原さんは黒髪ロングの美人であるが、20年も恋をしたことがない男が一目惚れするにはあまりにもありきたいな美人ではないのか?いや、親友と呼ぶべき君が惚れた女の悪口はやめておこう。うむ、書いている内になんとか落ち着いてきた。あの日の飲み会は『歓迎会』と『亮がフライング帰国会』という体で開いたのだが、まさか君が初恋をするきっかけになるとはな。俺が半分主役であったのにもかかわらず、君は俺を懐かしむわけでもなく女の子ばかり見ていたわけだ。いや、めでたいのであるから君への個人的批判もやめておこう。短い休みに帰国してよかったよ。しかし同時に、もう半年遅ければこれからの君のどたばたを間近で楽しめたのかもしれないと思うと残念でならない。そういえば川口と庄田には打ち明けたのか?あの二人はサークルの中でも女性に対しては特に積極的であるから早めに釘を刺しておくことに越したことはないぞ。君は奴らに恩を売っているはずだからきっと聞いてくれる。
そして君のメールの後半は童貞ならではの不安しか書いていないが、大丈夫だ、俺の助言に従って立ち回ればきっとうまく行く!・・・はずだ。たぶん。きっと。Mybe.とにかく君は初恋したての童貞なんだから変に焦って自分からだめにするなどというありがちな間違いをしないように気をつけろ。それだけを忠告しておくぞ。もちろん経験的忠告でないことを書き添えておく。



re:飲み会
ryou minemoto
4月6日
To ayano kitamura

 異国の地からビッグニュースをお伝えします。本人に断りなくばらしますが拓ちゃんに好きな人ができたそうです。中学から彼とは腐れ縁ですが、私が知っている限り彼が女性に惚れたのは初めてです。これは先輩が想像する以上にビッグニュースなのです。そこでお願いなのですが先輩のお力を貸してほしいのです。なんだかんだと言いながらも私は彼には世話になったような気もします。同時に世話をしていたような気もしますが。純粋な友情として彼の初恋を応援してあげたいのです!彼女いたことない彼にはぜひ幸せになって欲しいのです。ええ、僕は元来誠実な男でありますから、正直に言いますともちろん面白がっていることは否定できません。しかし20年間も恋をしたことのない友を応援するのは最早人間としての義務であるのです。そうでした、初めに書くべきでしたが彼が一目惚れした相手は我ら映研サークルに加わったピチピチの新入生である松原さんだそうです。あんな競争率の高そうな黒髪ロングの美人に惚れるなよと思いますが、彼は性格だけは本当に尊敬できます。外見もよく見ればチャーミングであると主張させてください!優しき友として。なのでまだ右も左もわからぬ高校生上がりの女子とお近づきになる可能性は十分にあると思うのです。話は前後してしまいましたが何が言いたいかと申し出げますと、先輩のあの情報網を彼のために少しだけ発揮してほしいのです(私が痔になった次の日にはどこからか情報をキャッチしサークル内に広めていたあの恐怖の情報網を)。よい返事を待ってます。
最後になりましたが飲み会楽しかったです。突然の帰国であったのに、集まれる機会を開いてくださりありがとうございました。完全に新入生のおまけであったことは都合良く目を瞑らせていただきます。
ではまた。



re:突然のメール失礼します
ryou minemoto
5月9日
To moemi matubara

 本当に突然のメールな上、予期せぬ相手からなのでびっくりしました。松原さんというのは我ら映研に入った新入生で間違いないですよね?どういう風の吹き回しで異国の地に居る俺にメールをくれたのかわからないけど、新学期の励みになります。ありがとう!映研の様子はどうですか?俺がいないと皆寂しがっていることでしょう(いや、半年も経てば慣れてるか)。松原さんはサークルの雰囲気には慣れたでしょうか?俺の親友の山口拓哉という奴がいるからわからないことがあったらそいつを頼るといいでしょう。彼は初対面の相手(特に女子に対しては)には少し緊張して口数も少ないかもしれないが、打ち解ければよく喋るいい奴なのだ。しかも嫌々入った俺と違い、映画に本当に詳しいので映画が好きという理由で映研に入ったのならきっと話も合うだろう。たしか彼は「羊たちの沈黙」が好きだと言っていたな。内容的には女の子受けはしなさそうな映画ではあるが、おもしろいことは違いない。なんだか長くなってしまった。あまりメールを返すことはできないかもしれないがまたくれるとうれしい。では。


re:もうだめだ・・
ryou minemoto
5月9日
To takuya yamaguti

 返事が遅れてしまい、すまん。しかしそれにも理由があり、うちの寮にはでは勉学への妨げを減らすためとかいう理由でwifiが有料なのだ。たしかに異国の地に来てまでインターネットに浸っていてはなにかしらの損をしているのかもしれないな。だがメールを見れないというのもなかなか辛いものだ。本当ならば共同スペースにフリーのパソコンがあるのだが日本語対応していないという事態である。文句の一つでも言いたくなるものだが、俺は慎ましき日本人であるようだ。なけなしの2ポンドを笑顔で払って君のメールを読んでいる。
 さて、本題に入るが、君から来た計3通のメールにはただただ君の彼女への気持ち悪い想いと君のへたれな姿しか書いていないぞ。あれでは表現が違うけど内容の同じメールを3回読んだだけだぞ。まぁ、松原さんに彼氏がいないという情報はたしかにすごい収穫である。そんな凄い情報を掴んでおきながら映画にも誘えないとはどういうことだ。その前売り券を買った金がもったいないではないか。俺にくれ!馬頭から入ったが、正直気持ちがわからないでもない、初恋の相手の前でうまく振る舞えないというのは男なら誰しもが経験することだ。君だけの病気ではない。しかしそれ以前に君はとりわけ女子が苦手というのも事実。そこでだ、君にもう少し積極性を与える種を植え付けようと思う。心して聞いてくれ、我が地獄耳によれば、松原さんは君のことが気になっているらしいぞ。俺も半信半疑ではあったのだが、見たら君のメールの中にも話しかけてくれたと書いてあるじゃないか。しかも好きな映画の話をしてくれたのならばきっとどこからか調べてきたに違いない。これは好きでなくても淡い好感を抱いていることに違いない。相手が自分のこと好きなのに映画に誘わないというのはまるっきり思春期のボーイだぞ!くれぐれも暴走しないように気を引き締めて頑張れ。遠い国から応援している。
ところで君はまったく僕の心配をしていないがどういうことだ?



re:任せなさい
ryou minemoto
5月9日
To ayano kitamura

 就職おめでとうございます。随分早くに決まりましたね。さらっと書いてあるからびっくりしました。ゼミでも映研の中でも一抜けではないですか?お祝いとして前話してたシェイクスピアの故郷の写真を送ります。行くのは来週なので、また一か月程明くと思いますが。
 拓ちゃんのことですが、助力ありがとうございます。そうですか、現在も過去も彼氏はいないとは今時珍しい子ですね。御両親が離婚しているからバイトに励んでいるとはこれまた見た目からは想像もできないような苦労していますね。かなり衝撃の事実です。あの穏やかな雰囲気はいいとこのお嬢さんかと思っていましたよ。拓ちゃんからこの一か月返信していないのに計3通もメールが舞い込んでいました。彼も先輩から松原さんに彼氏がいないと教えてもらってとても舞い上がっているようでした。映画の前売り券を二枚購入したものの結局渡せなかったようです。彼にとってはこれが初恋なのですからへたれてしまうのは仕方がない事かもしれません。がしかし、痺れを切らした僕は彼に勇気を出させるために松原さんが拓ちゃんに気があると嘘をついてしまいました。これで少しは自信をもってくれたらいいのですが。彼は話さなければいいところがなかなか見えない男ですから、人見知りの向こう側にぜひいってもらいたい。しかも松原さんが映画好きなら必ず彼と気が合うと思うのです。そういえば松原さんからメールが来ました。先輩がメルアド教えたのでしょうか?メールを読む限り礼儀正しくとても好感をもてました。彼女は果たして着実に包囲網ができているのに気が付いているのでしょうか。彼女も拓ちゃんの事を本当に好きになってくれるといいのですが。
それではまたご返信お待ちしております。本当に就職おめでとうございました。
ではまた。



re:ありがとうございます
ryou minemoto
6月3日
To moemi matubara

 なるほど、去年の学園祭であの短編映画を見たのですか。自身は学園祭の時にはすでに日本におらず、自分の脚本が採用された作品が上映された様子を見ていないのですが、直接賞賛の言葉を言われるのはうれしいものですね。たぶんあの作品の台本は棚を探せばどこかに置いてあるんじゃなかろうか。見つからなければ山口拓哉に聞いてみるといいでしょう。そしてあの話の着想についてだが設定などは実体験がヒントとなっています。しかしほとんどは作り話なのです。中学の時、仲のよかったクラスメイトが事故で亡くなったことがあって、そのお葬式で泣きじゃくる妹さんがなぜか印象に残っているのです。実際は彼女がどうしているか知らないから、かなり希望的願望的話の展開ではありますが、その子が兄の死から立ち直る姿を見たかったのです。制作に関して詳しくは山口に聞いてください。実は監督をやったのは庄田なのですが、彼は映画に関してとても熱い男であるのは間違いないのだが、女の子と食事をすることにも同じぐらい熱量を持っているのだ。二人きりの時に話しかけない方がいいかもしれない。なので助監督でもある山口に詳しいことを聞けばいい。ちょっと女性恐怖の毛があるが、根はとてもいい奴なのです。彼とは中学からの付き合いですが、あいつも亡くなった奴とは仲が良くてクラスは違うけど授業休んで葬式に参加してました。いろいろ話してくれると思いますよ。



re:うひょー
ryou minemoto
6月3日
To takuya yamaguti

 初めに言っておくがあまり浮かれるな。そもそも君は少し極端すぎるのではないか?まだ確定的な情報でないと言っているだろうが。確かに前のメールで松原さんが君に好意を寄せているかもしれないと書いた。そして積極的になることを助言した。これは認めよう。しかし突然ディズニーランドに誘おうとするのは違うのではないか?二人でいくデートに誘うにも段階を踏まなければいけないのだよ。君はボタンをカチカチ押しながらエレベーターのドアを閉めようとしている。階段を登って脂肪を燃焼しろ。そもそもディズニーランドというものを知っているのか?あのような愛し合うカップルが頭をピンクにしてあちらこちらへ放浪するコンクリートジャングルに女性恐怖症の君が行っても確実に生き残ることは出来ない。厳しい言葉に聞こえるかもしれないが、これは君を思っての言葉だ。僻みではないぞ。冷静に第三者の立場に立って状況を俯瞰で見るとまだ早いと判断できる。積極性は映画の前売り券を渡すぐらいでいいのだよ。それにメールを読む限り、まだまだではあるがうまく話す機会は持っているように思われる。そんな無理にエレベーターに乗ることはない。松原さんは引く手あまたの美女であることは間違いない。確かに他に先を越されまいという気持ちもわかる。しかしだ、君はまずルックスで勝負するタイプではない。突然イケメンに夢の国に誘われた時と君に突然コンクリートジャングルへ誘われることの違いは残念ながらある。この世は悲しいかな平等ではないのだ。だからまずは共通の話題でもある映画から突破口を見出すことが大切なのだよ。大丈夫だ、映画を語る君の姿はまだあどけないティーンから見れば素敵に映るに違いない。ここは素直に俺の言葉に耳を傾けなさい。
 短編映画の件だが、そんなに褒めてくれていたのか。やはりそういう意見を聞くと素直にうれしいものだな。



re:自惚れ屋
ryou minemoto
6月3日
To ayano kitamura

 先輩のご指摘と御叱りの言葉ごもっともです。しかし言ってしまったことを今更取り消すなんで僕には無理です。彼はもうすっかりその気になって夢の国に二人で行くのを誘うとか言い出す始末です。完全に頭の中がピンクでお花畑が広がっています。こんな拓ちゃんに誰がしたと言われたら僕であることは間違いありません。正直予想以上の効力でした。しかしここでばらしてしまうと本当に彼が打ちひしがれてしまいます。一応彼への返信では変な暴走を止めるように言葉を書き綴りました。最初の二人だけのデートぐらいせめて映画しろと書いておきました。これが苦し紛れの悪あがきというのでしょうか?異国の地からでは直接制止することはできないので、もし彼がいけない方向に向かったらぜひ止めてあげてください。本当に何から何まで頼むのは申し訳ないと思うのですが、お願いできる人が先輩以外いないのです。我が親友をお願いします。彼にとっていい効果をもたらす嘘だったと思ったのですが、たしかに相手を考えない軽率な嘘でした。
 彼女に先輩がアドレスを教えたわけではないのですか?では松原さんは誰に聞いたのでしょうか。メールの目的は昨年の学園祭で流した短編映画がとてもよかったと言いたかったからだと思います。彼女は甚く気に入ってくれたようで、脚本が僕が書いたと知ってなにか色々と質問されました。あの映画は先輩の泣く姿が綺麗だったことが自分の中でとても鮮明に映像として残っています。
前に言っていた写真もいっしょに送らせてもらいます。
ではまた。



re:説明要求
ryou minemoto
7月4日
To takuya yamaguti

 抗議文は読ませてもらった。たしかに君が怒るのももっともだ。彼女が君に気があるというのは嘘であったかもしれない。それは謝る。そして松原さんからメールが来ていたことを隠していたのも謝る。たしかに俺が君の好きな映画を教えた。それはまぎれもない事実。しかし言い訳をさせてほしい、これは純粋に君の恋路を応援しようとしたことなのだ。たしかに君にしてみれば楽しんでんじゃないのかと疑ってしまうかもしれない。しかし何もできないと言っている君を勇気づけようと彼女が気を持っていると嘘をついた。そしてメールが来てることに関し報告しなかったのはなんでだろう。それが一番物事が円滑に進むような気がしたと言えばいいのだろうか。悪気はなかったと言って許されるわけないというのはよくわかっている。しかしまったく悪気はなく、君を思ってのことだということをわかってほしい。別に彼女がメールをくれたのは例の短編映画の事について質問をしてきただけなのだ。別に深い意味はないし、それに対する回答でも詳しいことは君に聞くようにと自然と話す機会が増えるように手引きしたつもりだった。そしたら君も少しは勘違いして臆病にならずに済むかと思ったのだ。もしかして君は松原さんが俺の事を好きだと勘違いしてるんではないのか?別に本当にそんなことはないし、映画以外のことはなんら聞かれてもいない。これは決して嘘ではない。



re:結果から
ryou minemoto
7月4日
To ayano kitamura

 ご報告ありがとうございます。やってしまいましたか。あれ程夢の国はやめろと言ったのですが。恋する童貞はなにをしでかすかわからないものです。彼を責めれるような立場ではありませんが、初めてのデートに夢の国は例え気があっても断るでしょ。運の悪いことに松原さんの同級生に彼女が俺にメールを送っていることを聞いたらしく、それで彼は彼女が僕のこと好きなんだと勘違いしたようでして。そこに夢の国を断られたことで僕が言った彼女が彼に気があるといった言葉が完全な嘘だと思っているようです。とても許せないようでかつてない程頭にきているようです。文面からひしひしと感じます。なんか完全に僕が悪いですね。結局先輩の予想通りになってしまいました。すぐにでも撤回するべきだったのでしょう。それならばまだ傷は浅かった。いや、松原さんからメールが来たことをすぐに報告すればよかったのでしょうか?しかし本当に短編映画の事しか聞かれてないのです。本当に全てが裏目に出てるきがします。嘘をついてまで拓ちゃんを焚き付けようとしたのは、先輩の仰った通りやりすぎでした。しかし拓ちゃんに素直に謝ることもなかなかできません。彼への返信を先ほどしたのですが、どう読んでも言い訳だらけです。そんなの逆に怒りを買うのはわかっているのですが。自分はある意味拓ちゃんなんかよりよっぽど勇気のないへたれ野郎なのかもしれません。そもそも恋愛に関しても先輩面を散々してきましたが、高校の時3か月付き合った以外恋愛はほぼ皆無なのです。彼もそのことをなんとなく知っていると思うのですが、なぜ相談相手に俺を選ぶのでしょう?結果この様ですし。すみません、こんな愚痴を先輩に言っても始まりませんね。
また拓ちゃんの様子を伝えていただけると嬉しいです。
ではまた。



re:無題
ryou minemoto
8月3日
To takuya yamaguti

 絶交を伝える短いメール以外届いていなのはやはり相当な怒りがまだ収まってないということだろうか?たしかに俺が送ったメールは一文置きに言い訳が混じっていた。これでは逆効果というのもわかっているが、本当に悪気はなかったのだ。いや、また良い訳しか書いていないな。とりあえずすまん。心から謝罪する。松原さんとは短編映画のことでメールを2通ほどやりとりして以来メールをしていない。これは嘘でも半信半疑の情報でもない。真実であるし心から君には悪いことをしたと思っている。



re:反省
ryou minemoto
8月3日
To ayano kitamura

 帰国の日も近づいてきました。一年は長いようで短かったです。イギリスでやりたいことは大体達成できたような気もします。Abbey Roadも歩きましたし、シェイクスピアの故郷も行きましたし、本場のサッカーも見れました。英語の授業も一年間受けていたらついていけるようになりました。
春休みには先輩を案内できましたし。後は帰国して拓ちゃんに謝るだけです。あれ以来絶交宣言のメールを除いて受信はありません。まだ怒っているのでしょう。当たり前です。思えば彼の前で少々いい格好をしようとしすぎているのも問題なのかもしれません。拓ちゃんは昔からなぜか僕を高く評価してくれていました。あの短編映画の脚本も彼が元々先輩に強引に売り込んでくれたのがきっかけで日の目を浴びました。モデルになってる子が大体誰か彼はわかっていただろうから余計に買ってくれたのでしょう。彼の前で変な意地を張ってしまう自分もいたりします。たしかに彼の恋路に必要以上に干渉しすぎていたのかもしれません。今更反省しても遅いですね。ああ、親友を短い人生の中で2人も失うのは耐えられないものです。嘘をつかない人はいるのでしょうか?ぜひその人を師匠にして残りの人生を歩みたいものです。
ではまた。



昨日
ryou minemoto
8月5日
To takuya yamaguti

 昨日はお出迎えありがとう。まさかの顔ぶれにど肝を抜かれたが素直にうれしかった。しかし帰国便の到着時刻がばれているとは思わなかったな。北村先輩はどうやって異国にまで情報網を広げているのだろうか。恐ろしい人である。それにしても松原さんが村岡の妹だったとは世の中狭いな。もうあれから何年も経っているのに今更こういう形で再会するとは本当に不思議なこともあるものだ。しかも君至っては惚れてしまっているという始末だ。そうだ、帰国早々君の鼻の下を伸ばした面をじっくりと拝見したぞ。松原さんにいつもあんな腑抜けた面を晒していていると思うとやっぱり少し心配だ。君は俺にすまんと何度も言っていたが、そう言いながら松原さんが微笑んで話すたびに顔のネジが緩まっていっていたぞ。俺にはわかる。君はこんなに仲良くなってるのを俺に見せつけていただろ。君はそういう男だ!たしかに帰りを送ってあげるなど、いい距離感と雰囲気であったのは認めよう。しかしそれはまだ先輩後輩の域を出ていない中での合格点なだけだ。いい気になるなよ。気を引き締めて初恋に挑みたまえ。もう俺は一切の口出しをしない。しかしただ純粋に楽しみたいから結果報告だけは絶対にしてくれ。頼む!
また近いうちに俺の歓迎会でもやってくれ。



昨日はありがとうございます
ryou minemoto
8月5日
To ayano kitamura

 昨日はどうもありがとうございました。まさか空港までお出迎えをしてくれるとは驚きました。いつ帰国便を知ったのでしょうか?こんなに行動が把握されていると最早自分にGPSでもついているのではないかと疑いたくなってしまいます。それにしても先輩も人が悪いですよ、僕が反省するようにと拓ちゃんにメール送信禁止例を出すなんて、僕が飛行機の中でどう謝ろうかと思い悩み苦しんでいた時間をぜひ返してください。きっと爆睡できてました。空港で会った時は逆に拓ちゃんが申し訳なさそうでしたよ。松原さんと拓ちゃんはなんだかいい関係を築けていますね。友達の妹を知らない内に好きになっていた彼の恋愛運命もおもしろいものです。初恋にしても少しドラマティックすぎやしませんか?いわゆる男女の気があるとは少し違いますが、あながち松原さんが拓ちゃんに気があるというのも嘘ではなかったのですね。映画に誘ったらすぐに快諾してくれたそうです。彼がディズニーランドに断られた理由は僕にはやはりなかったのです。反省はしておりますが!でももう友達を失わないように第三者に徹して応援することにします。拓ちゃんも許してくれるどころか頭に血が上ってしまったと謝っていましたが、帰り際に仕返しのつもりでしょうか、先輩が酔った時に私の事を好きだと言っていたと嘘をつかれました。つかれて初めてわかったのですが、本当なら幸せだと思う事が嘘であるのは辛いですね。
また就職祝いに飲みにでも行きましょう。



ありがとう
ryou minemoto
8月5日
To moemi matubara

 昨日はわざわざ空港まで来てくれてありがとう。まさか村岡の妹さんだったとは。苗字が違うしお葬式の時はちゃんと顔が見えなかったから会ってもまったく気づかなかったです。それにしてもモデルにした本人にあの短編映画を見られるとは思わなかった。なんだか恥ずかしいものです。しかし作品を好きだと言ってもらえて本当にうれしかった。あれからもう6年になるか。あの時は初めて自分の周りで人の死を身近に感じた体験でした。また晴れた日にでもお墓参りでも行きたいですね。まぁ、日本に帰ってきたし、同じサークルだからこれから話す機会は少なくないでしょう。
 村岡の遺書についてはたぶん俺と山口で合っていると思う。あの年まで誕生日を一緒に3人で過ごしてた。あいつも何年も見つからないような場所に遺書を隠すなよな。昔から用心深かったけど見つからなきゃ意味ないだろ。彼の残した言葉が自然と彼の言葉で再生されて、今更こんな巡りあわせを経験するってことは忘れないでくれってことなのかなと思ったりしました。わざわざ伝えてくれてありがとう。たしかにあまり思い出すことも少なくなったけど彼が自分の中で占める部分はいまでも特別な場所だと思う。こんなこと君に言っても仕方がないか。
ではまた。
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