「目が見えなくなっちゃったんだ……」
「そうなの……強いショックで一時的に見えなくなることもあるみたいだから……」
「そうだね……」
「うん……でも、私……今まで通り平気だから、変わったのはちょっと目が見えなくなったってだけで……」
「いや、迷惑だよ……目が見えなくなっただけって……もし僕と千佳の立場が逆だったら……絶対に耐えられないと思う……いくら好きだとしても…ごめんね!許してくれ!!」
男はそれを言い終わるか終わらないかのうちに、強い足音をたてながら、その場を立ち去った。
「西男さん!私!!明日もここで待っていますから!!」
女は顔を手で押さえたのか、喉から篭った声を出して大きく叫んだ。


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