貝の終わりとハードボイルド・ツイッターランド

突拍子も無い夢の話のようで退屈せず読めた。村上春樹は読んだことない。

発想は面白い。
ぼんやりとした雰囲気が物語に合っていて良いですが、
もう少し描写があると良いと思いました。
あと、自分にはどの辺りが「嘘」だったのかわからなかったので、
教えていただけると嬉しいです。

テーマにあっているかはともかく物語がスムーズに動いていってとても面白い。

村上春樹の影響を受けていると冒頭にあったけど、彼の「こっちサイド」の影響を受けて作品を書いた人はかなり珍しいと思う。
たいがい村上春樹にかぶれた人は48番みたいなスカした文体の小説を書いちゃうモンだけど、この人はそうじゃないのが面白い。

『カンガルー日和』とか『夜のくもざる』に収録されているナンセンス不条理小説からインスパイアされたと思しき内容だけど
村上春樹以外にこういうセンスをうまく作品に落とし込める人がいるってことに驚いた。
しかも先人の影響を消化して、しっかり自分のオリジナルに昇華させてると思う。
しっちゃかめっちゃかなようで実はかなり計算され整理されている小説。
おそらく今回上位に来ることは無いと思うけど、「そんなの全然気に病むことはないんだよ」と言ってあげたい。
ぜひこのままその稀有な才能を伸ばしていって欲しい。

女の嘘はずるいですね。男が騙されてもいいと思うところが特に。

全作品中、一番難解に感じました。
わけのわからない不思議な世界観を進みながらも、読後感爽やかに終わる感じすごい好きです。
行間を開けて間をとる手法はあまり好きではないのですが、この作品においてはとても巧く使われており、これも一番だった。
主に会話の間をとることに空行使う、他作品との違いを感じた。
他の人がどう解釈してるのか、感想を見たい。しまうまさんありがとう。