人の忍法を笑うな


森を駆ける・・・森の中を走るのは嫌いではない。木々の香りとしっとりとした湿気の中を軽い高揚を感じながら走っていく。
言ってみれば、森林浴と、ランニングと、緊張感のあるゲームを同時に楽しんでいるようなものだ。森の中を走るのは嫌いではない。
ああ、言うのが少し遅れた。俺は忍者だ。抜け忍を追っている。
抜け忍とは忍者を辞めるために逃げ出した者のことだ。

忍者の世界では里を抜けることが決して許されない。忍者というのは隠密、つまりスパイだ。
簡単に言えば、秘匿しておかなければならないことが忍者の里には山ほどある。
各地の大名家や諸勢力の情報もそうだが、里に伝わる薬や忍術も他の里に知られてしまえば優位性がなくなるし、そもそも構成員に誰がいるのか自体も秘密なのだ。
今、俺が森を走っているのにだって、里に伝わるちょっとしたコツがあり、それに自分なりの工夫を重ねたものなのだ。
とにかく里のことはどんな些細なことでも外部に持ち出されないようにしなくてはならない。ましてや、人間そのものが外に出る抜け忍という存在は必ず追われ、そして始末される運命にある。忍者を一度やり始めたら最後、生涯やり続けなければならないのだ。

しかも忍者の世界には出世はない。出世することはないので、コツコツ働いて偉い立場になり、「いやぁ私も若いときはねぇ、大変だったよ・・・風魔の連中に5人で囲まれたときは流石にもう終わりだと思ったねぇ・・・あの時代に比べると、今の若い忍者のやってることはだらしないねぇ・・・最近の忍者は元気がないッッッ」などと自分の武勇伝と「今の若者は駄目だ」論を新入忍者にえんえんとしゃべって溜飲を下げる日などやってこない。
ひたすら毎日毎日忍び続けて、そのたびにニンニンニンニン言って、忍者を辞められるのは結局死ぬときだけなのだ。
しかし、忍者をやっていて寿命を全うできるかというとそれも無理な話で、つまり現実的には忍者を辞めることができるのは”殺されたとき”だ。ほとんどの忍者は寿命を全うするどころか、体の衰えを感じ始めたり、怪我を負ったりしたら、敵に殺されてしまう運命なのだ。スポーツ選手が第一線で活躍できなくなる引退の年齢で忍者はそろそろ殺されるかもしれないという覚悟を決め始めなくてはならないということだ。

・・・・・・と説明なんぞしてみたが、今までの話は実は嘘だ。
いや、まったくの嘘ではないが、それは大昔の忍者の話なのだ。忍者業界もそんな時代ではなくなっている。もはや戦後ではないのだ。

世の中は長い長い平和が続いていて、それが当たり前のものになり、社会秩序というものがすっかり確立されたので忍者同士の殺し合いなんてとっくの昔になくなった。
さらに規制緩和によって誰でも里の運営が可能になった。自由競争社会だ。
忍者として出世らしい出世コースというのは今も存在しないが、里で経験を積み、ノウハウを学んだ後、自分で里を運営するものも出てきた。
里の運営はそれはそれでままならないものではあるが、それぞれの里は他の里と同盟を結んで露骨な戦いに及ばぬようにしたり、忍者も平和を享受できるような状態が続いている。

もちろん厳しい競争が存在する世界ではあるが、その厳しさはせいぜいビジネスの世界の厳しさと同等程度の厳しさと思ってもらえばいいだろう。

ところで抜け忍の話に戻るが、かつて抜け忍と言ったら、一瞬も心休まらないそんな殺伐とした世界に身を置いてでも、自分の信念を貫いたり、自由を求めたりする超一流の腕前を持った孤高のアウトローたちだった。
まぁぶっちゃけて言えば『カムイ伝』とか『忍者武芸帳影丸伝』の世界と言えば分かってもらえるだろうか。忍びとは刃の下に心を置く者なりってなもんだ。
しかし、最近の抜け忍はそういう人間ではない。なんというか・・・まぁ脱落するべくして脱落するような駄目人間たちと言ってもよい。今、俺が追っているのもそういう類いの抜け忍だ。

まぁそんなわけで忍者の世界は殺伐としたものではなくなったのだが、かといって里を抜けられること自体には不利益が伴う。情報の流出と労働力の低下という意味からも歓迎できることではない。

ゆえに抜け忍には今でも制裁が加えられ、何らかの形で再起不能になってもらうのだ。俺が担当しているのはそういう仕事である。
まだ忍者としての自分の行く先はわからない、忍者を続けていて本当に自分はいいのだろうか?そんな疑問を抱くこともあるが、よもや抜け忍になってその先に何かがあるとも思えない。

それに、こんなことを言うのも何だが、この仕事が終わったら、俺は里に戻って結婚することになっている。
ああ、今こんなことを言うのも何なのだ・・・。分かってもらえるだろうか。結婚できるという嬉しさと期待と、もし、この仕事中に何かあって、里に帰れなかったら、その時はその幸福感が反転してひどい絶望に変わるだろうという不安が・・・。

「見つけたぞ・・・・・」
ついに森の中で抜け忍の姿を視認する。通り名は確か、逸ヶ身(いつがみ)の雷太・・・だったか・・・。

「待て!」
逃げる雷太に向かって、叫ぶ。

まぁ待てと言って待つ奴はいない、このツッコミ自体もずいぶんと言い古されたものだが、それでも今日私たちはなぜ逃げる相手に「待て!」というセリフだけは言ってしまうのだろうか・・・などと無駄なことを考えつつ、十字手裏剣を放つ。『忍者ハットリくん』の世代から下は手裏剣と言ったら、十字手裏剣である。それより以前には棒手裏剣というものが手裏剣のイメージを占めていたらしい。こうやって世界の表象というのは書き換えられていくのだろうか。
そんな無駄なことをまた考えているうちに、手裏剣は雷太に見事ヒットする。

ドサッ・・・・・・

あっけなく雷太はその場に倒れる。
が、まぁこれで終わりだと思う忍者はいない。お互い忍者なのだから、何らかの擬態や撹乱は折り込み済みで対処するのが常識である。
近づいてみると、枝を腕に模した丸太に忍者服が着せられているものが落ちていた。誰でも見たことがあるアレだ。

・・・一瞬、呆れる。気持ちはわからんでもないが、変わり身の術と言ったら何が何でもこのやり方を適用する必要はないだろう。こいつは何か固定観念で忍術をやっているようだ。

そもそも、こいつが抜け忍になった理由もそういうものだ。優れた忍者は抜け忍になるものだと思っていたらしい。抜け忍になるには当然追っ手を撃退し続けられる忍者としての優れた能力がなくては適わぬものだが、抜け忍になったからといってその能力が身につくわけではない。順番が逆だ。

「俺、いつかこの里抜けるわー。この里にいても俺成長できる気がしないっつーかさぁ。」などと言っていたらしい。
救いようのないアホとしか言いようがない。本当に里を抜けようとする奴が里を抜けることを吹聴するわけがないだろう。抜けるつもりなら、そのことをひた隠しにするのが当然のはずだからだ。

まぁ最初はそういう「俺こんなところに納まってないぜ」アピールというか幼稚な虚勢か何かだったらしいが、何かにつけてそういう奴なので周りの忍者も「あいつはなぁ・・・」という感じでそのうち里にいづらくなって、結果として彼の「俺抜けるわ」宣言は実行される事になった。「優れた忍者は抜け忍になる」という憧れと里でぱっとしない自分のギャップに耐えられなくなったというわけだ。

里の上層部も本当に雷太が抜けるとは思っていなかったようだが、抜けたら抜けたで、まぁ彼は事前から抜け忍予告はしていたわけだし、行動がほとんど筒抜けだったので、こうして速攻で俺が派遣される事になった。もうそれは速攻で。だから、結婚の儀の直前なのに、俺が派遣されたのだ。上層部もまぁ雷太相手なら簡単に仕事が終わると判断したのだ。

さっき俺が放った手裏剣は変わり身の術でかわしたようではあるが、正直そんなに遠くまで逃げていないことはわかっていた。わざわざこんなマンガに出てくるようなステレオタイプの変わり身の術をやったために余計な手間がかかってしまっている。大方、場当たりな術でぎりぎり交わしたというところだろう。
変わり身の丸太を用心深く蹴飛ばすと、その下に穴が掘ってあって、そこに雷太がいた。やれやれだ。

「うわ!」

雷太がおびえた声をあげる。
しかし、すぐに反撃をしようと思ったのだろう。綿火薬を取り出し、火を放つ。

「くらえ!火遁の術!!」

おいおい自分で火遁の術って言うかね・・・と思いながら、危なげなく後ろに跳び、炎を避ける。
何もないところに突然火をつける手品を見たことがあるだろうか?あれと同じである。
「遁」というのは逃れるという意味なので、火遁の術というのは炎を使って敵を攻撃する特殊攻撃というよりは、火を目くらましに使って、逃げたり隠れたり、隙を作ったりするという術という意味合いが強い。
繰り返すが、火遁の術は炎属性の特殊攻撃ではない。まぁ何をもって火遁の術と呼ぶかという語義の定義の問題ではあるので職業が忍者のキャラクターが使える炎属性の特殊攻撃を火遁の術と呼んでもいいのだが、今雷太がやったような綿火薬に火をつけるくらいで大した被害は及ばない。

まぁほんの炎の暖かさと匂いを感じた程度、本当にその程度。
こいつは今まで里で何をやっていたのだろう・・・こちらが少し悲しくなる。

こいつが根本的に間違っているのは忍術というものを装飾の部分でしか捉えていないところだ。優れた手品というものはそれを成立させるためのトリックとそれを表現する技術が両立して出来上がる。忍術も似たような構造にあるのだが、こいつは他人の忍術を見て、そのパフォーマンスの部分ばかり真似ようと考える性質らしい・・・。張子の虎を見せるのも立派な忍術の一種なのだが、張子の虎を出すために、竹細工の枠や紙を張る作業といった張子を支える基本構造をすっ飛ばして、虎を出そうとする。技術を鍛えずにトリックだけで手品が出来ると思っているのだ。

「なぁ、雷太。今のがお前の火遁の術か?」
おもわず素で聞いてしまう。忍者なのに素のトーンで聞いてしまう。
雷太は涙ぐんでいた・・・困ったものだ。しかし、こちらも仕事なのできっちり制裁は加えないといけない。

「なんというか・・・お前も色々事情があったかもしれないが、抜け忍は抜け忍。何か里に不利益をもたらした時はまたこういう目にあってもらうぞ。」

と言って、雷太の尻に導火線と火薬をぶちこみ、火を放つ。

ボン!と威勢のいい音がして、雷太のアナルは吹き飛んだ。雷太は尻を押さえたまま、ピクピクと痙攣しながら気絶した。肛門のやけどを一生負うことで自分のしたことを後悔するだろう。これでいい。帰って報告しよう・・・。そして、嫁の笑顔を見るのだ。背が低くてちまっとした感じの可愛い嫁だ。決して絶世の美女という感じではないが、性根が優しい本当に可愛い嫁なのだ・・・。

その時、どこからともなく声が響いた。

「ほう!抜け忍狩りの忍者かね。これはひとつお手合わせ願おうか?」

「な!?」
どうやら、他の忍者がいたらしい。見られていたのか。

「手合わせ?貴様は何者だ!?」
焦る。帰れると思った途端に訳のわからない奴が現れたのだ。
ああ、なんてことだ。つい一瞬、嫁との初夜のことを考えてすらいたのに・・・そう、もし無事に帰れたら可愛くて素直で恥ずかしがり屋の嫁との初夜の描写がえんえんと続く展開だったはずだったのに・・・。

「はっはっはっはっはっは。私か。聞きたいか?草かんむりに愛と書くと草木が茂っていてものを覆い隠すという意。」

こいつは何を言っているんだ?

「そして、日偏に愛と書くと日が翳ってうす暗いことの意。すなわち、愛とは物陰に隠れ、正体定かならぬという字義なり。」

「だからどうした!!」

これだけ悠々と能書きをたれているのに声から場所がまったく読めない。口上の長さと忍者としての実力に苛立ちと恐怖を覚えた。

「私の名だよ。私の名は人偏に愛と書いて“ほのか”。すなわち、人の姿が定かでないという意味だ!」

なんだと言うんだ。そんな無駄な名乗りが必要だったか?素直に疑問を感じるが、何か非常に面倒なことに巻き込まれたようだ。ほのかなどという忍者は聞いたことがない。まぁ忍者というものはあまり名が知られていないのが当然なのだが。

「ではでは、腕試しといこうじゃないか。私もアレでね。つまりはヒマなのだ。」

「俺は暇じゃない!!」
正直な気持ちを吐露した。だが、どうやら向こうには関係ないようだった。

「じゃあ、まずはこれから行こうか。」

ほのかが言ったとたん、雷太が上から降ってきた。さっきまでそこに倒れていたはずなのに!?
とっさに身を交わし、雷太の攻撃を警戒する。しかし、雷太は気絶したままだった。

「どう?びびった?びびった?」

舐めているのか、こいつは。

その時、何か特殊な植物の匂いを感じた・・・しまった、春花の術か!?
つまり、それは風下の敵に向かってしびれ薬を撒くという術だ。

慌てて、木に跳び移り、風上へ回ろうとする。匂いを嗅いだ以上は多少効果が出てしまうかもしれない。多少の毒物には耐性をつけているが、いったいどんな毒なのかがわからないので油断はできない・・・。

「はっはっはっはっは、どうだ!秘技パクチーの術!!パクチーは苦手なほうかな?」
姿が見えないほのかの声が色々な方向からこだまする。

「パ、パクチー?」

「なかなかコレだけの量のパクチーを術用に用意するのは大変だったよ。」

パクチーとは香草(シャンツァイ)とも呼ばれるハーブの一種だ・・・完全におちょくっている。
パクチーに毒の作用はない。独特の香りがあるだけだ。中華料理やアジアン料理に使われる薬味か香辛料みたいなものにすぎない。
もし、ここで奴が本当に眠り薬や痺れ薬などを撒いていたならば、俺はやられていたかもしれない。もう嫁と会えなかったかもしれない。

それがパクチーだと・・・?

「くそ!」
優位に立たれている焦燥感とおちょくられていることに対する怒りを覚える。さらに「パクチーの術」の範囲外に出ようと枝から枝に飛び移り、木を登り、視界が開けた位置どりをしなおそうとする。冷静に考えれば、パクチーは無害なのだから、術の範囲外に出ようとする必要はない。
しかし、つい、攻撃を避けようとしてしまった。まるでパクチーにびびってしまったかのような自分の行動にまた苛立ちを覚えた。

「はっはっは、そうきたかね・・・君の飛び移った枝を見たまえ!」

枝に何かねばねばしたクリーム色のものがついている。枝を掴んでしまった自分の手にもその何かがべっとりとついてしまった、なんだこれは?チーズ?

「それはゴルゴンゾーラチーズだ!」

なんなんだ、こいつは!なんでそこでブルーチーズを溶かして枝に仕掛けておかないといけないのだ、まったく行動原理がわからない!

「フランスのロックフォール、イギリスのスティルトン、そしてイタリアのゴルゴンゾーラ。これが俗に言う世界三大ブルーチーズだ・・・!」

だからどうした!そんな豆知識は必要ないだろう!
しかも声で完全にドヤ顔なのが伝わってくる。どこにいるのかはまったくつかめないのにドヤ顔だけは伝わってくる。何という鬱陶しさだ。

「や、やめてくれ。俺には仕事を終えて里に急いで帰らないといけないんだ。お前に付き合っている暇はない!」
純粋に抗議する。さっさと帰って雷太のことを報告し、仕事を終えて新婚生活という幸せを満喫できると思っていたのに・・・・こんなことをしている場合ではない。

「そう言われても私も困る。私を倒せたら帰ってもいいぞ。」

何かがこちらに投げつけられる気配を感じ、反射的にかわす。地面に突き刺さったそれは本物の手裏剣だった。冷や汗が出た。当たれば致命傷になりかねない。

「たまには本物の攻撃もしないと本気で付き合ってくれなそうだからな。」

次の瞬間、ほのかが姿を現し、駆け寄ってきた。黒い正体不明の忍者服、そして・・・手に刀を持っている。途端に頭に血が上るのを覚えた。まさか殺される・・・結婚の直前に?
忍者としての本能を取り戻し、こちらも刀を抜き、ほのかを斬ろうとする。

バサッ!

一刀両断、ほのかを袈裟に斬り捨てた・・・と思ったが、手ごたえのなさに違和感を感じる。斬り捨てたはずのほのかの居た場所から大量の木の葉が舞う。木の葉隠れ・・・か・・・いや、この匂いは・・・・。

「パクチーだ。」

いかん・・・これは大変なことになった。相手は完全に技量が上で、さんざん遊ばれている。倒せば帰れるというが、まったく倒せる気がしない・・・。とりあえず、逃げるしかない。逃げ切れる気もしないが・・・。

「逃げようと思っても無駄だ。」

気配が出てしまったのか、ほのかが言う。声は相変わらず、どこから来るものかわからない。逃げようとした方向が燃え上がる。

「まぁ普通の術で私としてはつまらないが、火遁の術だ。」

ああ・・・絶望に突き落とされる。

ほのかは呑気な調子で続ける。
「火遁の術の遁というのは逃れるという意味なので、相手の逃げるのを妨害するために火遁の術というのはちょっと違うかもしれないが、まぁ何を火遁の術と呼ぶかという語義定義の・・・・」

知ってるよ・・・いや、俺もそう思うけど・・・違うんだ、そんなこと言ってる場合じゃないんだ。勘弁してくれ・・・勘弁してくれ・・・

「勘弁してくれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!」
思わず、大声で叫んだ。

「俺は帰ったら、結婚するんだ!本当に可愛い嫁なんだ!愛してるんだ!さっき転がってた奴を始末するのも本当は嫌で、嫁と一緒に居たかったんだが仕事だから仕方がなく、すぐに終わる仕事だすぐに終わる仕事だと自分に言い聞かせて、里から出てきたんだ!そして、実際仕事はすぐに終わった!これから帰って嫁と結婚するんだ!どうか見逃してくれ!お前が出てこなかったら、何の問題もなかったんだーーーーーっっ!なぜだーーーーーーーっっっ!!」

なりふり構わず、言いたいことをぶちまける。だってもう死ぬかもしれないんだし、それならもう言いたいことを言うしかないだろう。当然のように号泣していた。鼻水も出ていた。どうせ後悔するんなら少しでも自分の本音を吐露したって構わないじゃないか。

「まじかよ!」

ほのかが急に驚いたように言う。

「じゃあ、こんなことしてないでさっさと帰れよ!」

「は?」

「いやいや、お前これから結婚するのに、ここでこんなことしてる場合じゃないだろ。」

「あ・・・・ああ・・・」

「いやあ、結婚おめでとう!」

「あ・・・・ああ・・・」

そして、あっさりと帰してもらえた。結婚の儀はつつがなく行われ、


もちろん、その夜は嫁をこの世にこれ以上ないというほど愛した。




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