結婚をして三年が経った。今日は健二の一回忌である。
一年前、健二は自殺した。自宅で首を吊って死んでいたのだ。
有紀はひどく錯乱した。健二が自殺する理由など何一つ考えられなかった。
誰かに殺された、有紀はそう考えていた。
健二を殺したのは春香だと疑っていたのだ。
理由は単純である。健二を第一に発見したのは春香だったからだ。
うちによく遊びに来る春香、いつものように遊びに来たのだ。
有紀は家で待っている予定だったが突然仕事場から呼び出しがあり
急いで携帯電話を持たずに家を出てしまったのだ。
有紀が家にいなくても春香は勝手に上がって待ってることなどがしばし
あったから鍵を開けて家をでてきたのだ。家には健二もいたから心配なかった。
だがその間に事件は起きた。
仕事場に電話がかかってきたのだ。電話の相手は春香。
なんだろうと思い電話に出ると健二が死んでいると事を伝えられた。
意味がわからなかった。伝えられた病院に行くとそこには健二と春香。
健二の親族などがすでに集まっていた。状況が把握できず有紀は
悲しむことすらできなかった。
春香は健二を殺した。有紀は健二を殺した。有紀は自殺した。



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