翌日、僕は祐介とスタジオに入って、まるでぽっかりと心に穴が開いてしまったかのような
虚無感を感じながら、ギターをかき鳴らして、曲作りを始めた。

僕の夏休みはすっかり一海さんの言葉に持っていかれてしまった。
たくさん曲も作ろう。それでその先どうしたいか、きちんと決めよう。
勉強もしないといけないのはちょっとキツいけれど。

練習が終わってスタジオを後にする。熱い。今日は30℃を超える真夏日らしい。
7月16日、月曜日。海の日。

僕は帰り道にたびたび見える逃げ水を追いかけるようにして、走ってゆく。

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