3-4

激怖い。

いや、ちょっとこれは、本当に。
勘弁して下さい。

私が懐中電灯を持って二人で進む。
辺りはその光で照らす範囲しか見えない。
真っ暗である。
いきなり何が出るか分からない恐怖感の中、私達は歩いて行った。

しかし、予想に反して何も出ず、お寺の前まで着いてしまった。
つまり、帰り道に集中している、ということか。
寺の前には2つの道があり、今来た道は左、帰りは右の道である。
右の道は森に通じており、より暗くなっている。
何とも恐ろしい…。

楓くんも心配そうである。
私がしっかりしなければ…!

進行役が言っていた通り、お寺の裏には箱が置いてあった。
中にある紙を取らなければならない。
箱を持ちあげようとしてみたが、固定されていて動かない。
怪しい。
懐中電灯を楓くんに渡し、意を決して、手を中に入れる。

「ッ…!?」

手が何かに触れる。
私の予想は正しかった。
私の手に触れたのは、手である。
その手が私に紙の様なものを渡してきた。

と、次の瞬間。
床下から、何かがいっぱい出てきた。
暗くてよく分からない。
が。

「きゃああああああああ!!!」

楓くんがそれに驚いて、走って行ってしまった。
私も慌てて、追いかける。
そっちは帰りの道ではない。
むしろ道もない森である。



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