有紀がレズなのではないかと期待を持ったことはあった。
有紀と恋の話をすることもほとんどなく、高校2年の頃に一度
告白されたという話を聞いたぐらいだった。
そのことについて春香も特に深く聞かなかったので
断ったという結果だけを聞いただけで終わった。
有紀がレズだとしたら自分がパートナーになれる自信があった。
高校に入ってから毎日を友に過ごした自分以外に考えられる人物もいなかった。
部活も一緒、家も近い。服装の趣味までも一緒だ。
自意識過剰なぐらいだが自分よりも有紀に好意も持たれる人間がいないと思っていた。
もしも有紀と付き合うことができたら、その妄想を毎日一人で楽しんでいた。
しかし大学に入りその希望は打ち砕かれた。
有紀に彼氏ができたのだ。夢は打ち砕かれたがさほどショックはなかった。
考えたくはなかったが想定できることではあったからだ。
高校の頃までは恋の話などをしなかったが有紀に彼氏ができてからは
それなりに恋の話を聞くようになった。
「健二とこの前見た映画がすごいおもしろくて春香もきっと好きだと思うの」
春香には映画をおすすめしてくれてるこの言葉も惚気話にしか聞こえなかった。
だが健二との話を楽しそうに言う春香を可愛くさえ思った。


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