同棲生活を続けて二年、24歳の時に健二にプロポーズされた。
とても嬉しかった。もちろん二つ返事で快諾した。
初めて付き合う人と結婚するとは有紀自信も思っていなかった。
周りの友人たちは3カ月で別れた、などという話をよく聞いていたので
自分もそのぐらいで終わってしまうのかなと思っていたからだ。
「私たち結婚することになったんだ。昨日プロポーズされて。」
また一番に春香に伝えた。いつもの様に春香に祝福してもらいたかった。
「そうなんだ…。おめでとう…。」
春香の様子がいつもとは違った。顔が青ざめて生気が無くなったように見えた。
「大丈夫?具合でも悪いの?」
突然の変化に驚いてしまった。喜んでくれると思ったが
それどころではないように有紀には見えた。
「いや、大丈夫だよ…ちょっと目眩がしただけ。そんなことより
結婚式はちゃんと呼んでね!楽しみだなー有紀のウエディングドレス!」
いつも通りではないが普段に近い春香に戻っていた。驚いたがもう大丈夫なようだ。
いつもはあまりしない恋の話。してはいけないわけではないがお互い
持ち出すことはあまりなかったが、今日は春香に話を振ってみた。
「春香は彼氏作ったりしないの?何回か告白されたりしてるけど。
やっぱりいい人は見つからない?」
普通の会話、質問のはずだがなぜか少し緊張した。
「んー、まだ見つけられそうにないなぁ。大学も卒業しちゃったし
出会いが減るからまだまだできそうにないかなぁ。」
そっか。とだけ有紀は返した。それからはいつも通りの会話に戻った。
春香が恋に関して興味があるように有紀には見えなかった。
スタイルもいいし顔も整っている。男からの人気もあるが
春香は彼氏を作ることはなかった。自分よりもモテる春香が未だに彼氏を作らないことが
不思議なぐらいだった。好きなだけ選べる、出会いが減ろうと春香を
男が放っておかないだろうと有紀は思っていた。
home
prev
next